糖質制限で必要な栄養素は何か?『脳神経外科医が教える糖質制限ホントの話』石原信一郎 著

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書籍 脳神経外科医が教える糖質制限ホントの話
糖質制限を続けていると「痩せたけど不健康に見える。」「疲れやすくなった。」「イライラする。」など逆効果を感じている人がいます。

2018年11月に上梓された『脳神経外科医が教える糖質制限ホントの話』(現代書林発行)の中で、著者の石原信一郎医師はその原因を次のように言っています。

食事から断った糖が欠乏して不調が起こったのではなくほかの栄養素が欠乏しているのです。」「糖質制限で最大限の効果を引き出すためには、血液からどのような栄養素が不足しているか突き止め、栄養素を意図的に摂取して十分なレベルまで引き上げることが欠かせません。」と!

この著書には【糖質を控える分摂るべきタンパク質と脂質の適切な種類】【ビタミン・ミネラル補給】【食べる順序(野菜からはじめるは万人向きではない)】【適切な運動のやり方】等から医学的説明まで、糖質制限を実践する際の注意事項が具体的に書かれています。また、石原先生が指導している患者さんの話【症例】は、適切な糖質制限のやり方として参考になります。

数ある糖質制限関連本の中で、実直に書かれた1冊です。

書籍の内容

書店で内容をチェックできない方の為に、石原医師から全目次掲載の許可を頂きました。

※ 糖質制限の未経験者やビギナーには、目次通りに読むと少し分かりにくいかもしれません。糖質制限の基本を理解するために、まず太字の章(⇒)から目を通した後に最初から読み始めるとより理解が深まると思います

第1章 じつは珍しくない!糖質制限がうまくいかない人

【症例】糖質制限で血糖値は安定したが体調不良が始まった

・28年間の服薬をやめて糖質制限をスタート
・血糖値は下がったが、体調不良が始まった
・仕事明けのお酒をやめ、サプリメントで鉄分補給

糖質制限に失敗するみなさんへ

・体調不良になる「理由」が必ずある
・糖は便利なエネルギー源だが・・・
⇒・余った糖が寿命を縮める
⇒・糖に依存しない生き方もできる
⇒・飽食で運動不足が招いたメタボリックシンドローム
・やっぱり糖質制限はウソなの?
・糖質制限を失敗する人の典型例、症状

糖質制限、なぜ失敗するのか-5つの問題点

⇒① そもそも糖質制限をやってはいけない人
⇒② 自分に合った適切な糖質制限法(レベル)をしなかった~低T3症候群について
注)まずはP35第1段落まで読んで下さい。
⇒③ タンパク質の摂取量が足りなかった、カミカミ30の重要性
⇒④ その他の微量栄養素が足りなかった
⇒⑤ 適度な運動ができなかった

【Column】食事内容や運動、血糖値変動の関係を見える化:「血糖値コントロールの補完器機」

第2章 「糖質制限+オーソモレキュラー療法」とは何か

【症例】胃袋切除の手術を回避できた女性の話

・肥満症+糖尿病で膝の手術が必要とされた
・糖質制限で減量、血糖値も正常範囲に
・胃袋切除のダイエット手術を回避できた

糖質制限は何のために行うのかを正しく理解しよう

⇒・糖質制限の意味をしていることが大前提
⇒・食後の糖のゆくえとインスリンの働き
⇒・糖がなくなれば体脂肪も燃やせばいいのか?
⇒・タンパク質を摂らないと脳の栄養失調になる

【症例】鎖骨骨折をきっかけに糖尿病が発覚した居酒屋店主

・血糖値コントロールを行う整形外科は、なぜ重宝されるのか
・鎖骨の骨折を治療したあとで来院
・肉食は太ると思っていた、そこが大問題だった
・薬をやめたが、血糖値は正常範囲内に

【症例】鉄、亜鉛、ナイアシンの補給で月経困難症が改善

・田中さんの奥さんもやって来た!
・月経不順で貧血の女性は、鉄とともに亜鉛の補給も
・糖質制限と不足栄養素の補給で夫婦円満
・患者さんが「考えて食べる」ようになる

分子整合栄養医学(オーソモレキュラー療法)とは何か

・積極的な病気治療のための栄養医学
・健康常識だけではなく「テーラーメイド」の対策を
・基準値だけではわからない血液検査、結果の深読み

【症例】1型糖尿病だが、自己判断で糖質制限をスタート

・日本人の発症原因は遺伝的なインスリン分泌能力の低下
・血液検査で糖質制限の効果を確認したい
・当初クレアチニンが高かったが、問題なし

【症例】膝の手術をきっかけに始めた糖尿病が大成功

・膝痛の患者さんは、手術の前にまず「減量」を
・膝の治療をきっかけに糖尿病治療、全身治療へ
・患者さんの生活に密着する、きめこまやかな診療が必要

【Column】頭痛、めまい、肩こり、みんな同時に治ってしまうこともある

第3章 いま自分のからだに「何が必要なのか」を知り、補給すべし

37兆個もある細胞の元気・健康はすべて「栄養」から

・精神疾患の治療法として発展した栄養療法、オーソモレキュラー療法
・いままでの医療とは異なるアプローチ
・病院経営としては苦しい「オーソモレキュラー療法+糖質制限」

タンパク質の摂取量を真剣に見直そう

・ほとんどの人がタンパク質不足
・プロティンもムリなら、だし汁を利用してタンパク質不足を解消
・プロティンスコアの高い食品を重要視する
・卵はいくら食べても大丈夫、コレステロール神話に惑わされるな

女性も男性も「かくれ鉄欠乏症」

・あなたは「テケジョ(鉄欠乏女子)」?
・ヘモグロビン値が正常でも鉄が不足していることも
・貯蔵鉄「フェリチン」の値も重要
・鉄を効率的に摂るための知恵

【症例】ケガばかりしていた競歩の選手、原因は栄養不足だった

・とうとう私のところにやって来た女子高校生
・栄養改善は発展途上ながら、効果ははっきり

亜鉛も欠乏しやすいミネラル

・生命維持に必要な代謝に必須
・亜鉛不足は血液検査の項目でわかる
・銅は定期的にある程度の量を摂取していく

ビタミンDを甘くみることなかれ!

・骨粗鬆症の予防にとどまらない働き
・あなたも私もビタミンD不足で、病気予備軍?
・どれくらい摂ればいいのか

ナイアシン(ビタミンB3)は期待できるビタミン

・エネルギー代謝に関係のあるナイアシン
・ビタミンB群は水溶性ビタミン、摂りすぎの心配はない

【Column】脳の栄養と認知症

第4章 脳神経外科が栄養指導をするのはなぜか

私が脳神経外科医になった理由

・ぜんそく発作の苦しみに一人耐える夜
・現代医学への小さな反逆
・親に恩を売って九州大学医学部へ入学
・無限の可能性をかんじる脳神経外科に入局

勤務医になって現場の矛盾にぶつかる

・卒後5年までに学んだこと
・患者を第一に考えない医療とは

湿潤療法、糖質制限食、そして堺院長との出会い

・傷は消毒してはいけない?
・とうとう「床ずれ」の問題を乗り越えた!
・夏井先生のブログから糖質制限を知る
・今年は糖質制限大ブレイク中!
・退職そして、やりたい診療のできる病院探し・・・
・お互いに求めていた病院と医師が出会った

肥満症がベースにある患者の成人病に対する保険適用の制限:堺 研二

第5章 流行やブームに流されず、自身に最適な健康法を

糖質制限、大ブレイクの背景に個別医療への欲求が

・健康長寿より今の生きづらさに手を差し伸べる
・【糖質制限で失敗しない食べ方①】糖質制限のスムーズな導入法
・【糖質制限で失敗しない食べ方②】肉、魚、卵、乳製品をもっと食べてみよう
・【糖質制限で失敗しない食べ方③】不足しがちなビタミン・ミネラルを意識して食べ、サプリメントで補給してみよう
・すべてお任せの医療から、自分で考える医療へ
・患者さんのために、あえて挑む医師でありたい

オーソモレキュラー療法と称し高額なサプリメントを販売している医療機関もあります。石原先生は「サプリメントを必要な患者さんにはドラッグストアにある安いのを購入して試してみたらどうでしょう。」と奨めています。
福岡糖質制限クリニック脳神経外科医
石原信一郎

 


石原信一郎先生

1965年福岡県生まれ、九州大学医学部卒業。幼少期に苦しんだ喘息発作を独自の呼吸法で軽減させた体験、勤務医時代の現場の矛盾などから、医師は治る方法であればなんでも患者さんに提供すべきだと考えている。2009年より糖質制限、栄養療法(オーソモレキュラー療法)、湿潤療法を本格的に取り組む。現在、福岡糖質制限クリニックの外来で糖質制限の指導だけでなくオーソモレキュラー療法も考慮した総合的な栄養指導も行う。健康診断のデータを深く読み込んで適切な栄養指導をする医師として評判。

 
 

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