あなたはどんな災害食を備蓄していますか?
新型コロナウイルス共存という状況下で、もし自分が被災したらという視点に立ち、一般的な災害食を糖質制限の観点から考えてみました。糖質制限の推進派医師や実践者が備蓄している災害食はパラダイムシフトの品目です。
一般的な災害食は糖質の多い食品ばかり
先ずは、自衛隊が推奨する災害食を、2018年防災関連書籍で1位になった「自衛隊防災BOOK」から抜粋してみました。
いざというときの自衛官の料理
- チョコレート ブドウ糖が含まれるため少量で満たされる。すぐにエネルギーに変わる。疲労回復効果がある。かんぱんチョコサンドは外れなし!
- 焼き肉のタレ 高カロリー+糖分豊富な甘口を!
- カレー粉 振りかければ食欲UP
- スィーツ缶 柔らかくて食べやすく糖分からエネルギーが得られて、精神安定の効果も期待できるので被災時の疲れた心身にうってつけ
- 魚の缶詰、ごはん、かんぱん 定番メニュー ※ 魚の缶詰が水煮であればOK、味つけであればNG
この他にも、カップ麺、カップリゾット、パック入りライス、レトルトカレー、ビタミン入りのゼリー飲料、糖分入りの飴やチョコレート、フルーツ缶、コーンスープ、ポタージュ、一口サイズの羊羹などが一般的な災害食で推奨されています。
「エネルギーは糖から」という発想からか、ほとんどが糖質の多い食品です。
糖分補給の弊害
このように一般的な災害食は『高カロリー&豊富な糖分補給』ができる食品が推奨されていますが、果たして適切なのでしょうか。また、救援に当たる自衛官は、運動量が格段に違うことも考慮しなくてはいけません。
糖質制限推進派医師の一人はこのように言っています。
「糖質は諸刃の剣です。素早く使えるエネルギーでありながら、多すぎると身体を傷つけてしまいます」「いつも食べているものがホッとしますよね、という謎の説明を何度目にしたことか。精神的な安定は肉体的な安定の上にあります」
確かに、配給されるおにぎりやパンを食べている時はホッとするかもしれませんが、食べてしばらくすると逆に気持ちが落ち込んだりイライラしたり、そしてまた糖質の多い食品が欲しくなります。
このような気持ちの浮き沈みは、糖分補給により血糖値の乱高下が起きているからです。また糖質をすぐに欲しくなるのは、アルコールや麻薬と同様に糖質には依存性があるからです。
さらに、糖質はだるさや胃腸の不調も引き起こします。極度の不安やストレスによる体に追い打ちをかけることは避けたいものです。
外部から取り入れる炭水化物(糖質)は必須ではない
さて、既存の栄養学では三大栄養素の中で炭水化物(糖質+食物繊維)が最も必要な栄養素だと位置づけています。
ところが、炭水化物は、食べなくても体内でアミノ酸を材料にブドウ糖を合成できる「糖新生」というシステムが備わっているので必須ではありません。
一方、体内で生合成できない必須たんぱく質と必須脂肪酸は、食事から取り入れる必要があります。
論より証拠!「糖質制限+たんぱく質と脂質をタップリ摂る」食生活を始めると、だるさは消え持続的に動ける体、冴える頭になっていくのが実感できます。
減量や糖尿病改善の効果も絶大です。高血圧、高脂質症、逆流性食道炎まで治ってしまいます。
糖質を極力控え、避難生活を乗り切る
避難生活を余儀なくされた場合、糖質は極力控えた方が賢明です。しかし熊本地震で被災した糖質制限実践者は「救援物資の食品のほとんどが糖質の多い食品(炭水化物)なので、被災地で糖質制限を続けるのは難しかった」と言っています。
被災者の気持ちや置かれた状況は計り知れませんが、運動量に応じて救援物資の摂取量を調整できないでしょうか。
待機する避難生活は運動量も減りエネルギー消費は少なくなります。こういう時は、糖質の多い食品はかえって体に良くありません。「食べないと体に悪い」とおにぎり等を口にするのは逆効果です。水分補給をしっかりしていれば多少食べなくとも健康を害することはありません。
糖質を欲しくなるのは、日頃の糖質過多の食生活により糖質依存症になっているからかもしれません。
清掃や片付けなどで運動量が増える場合はエネルギー源が必要です。こんな時こそ持続性のある「ケトン体エネルギ-」となるラード、ココナッツオイル、MCTオイルなどを摂って欲しいのですが、これも現実的には難しいかもしれません。
そこで注意して頂きたいことがあります。作業をする前に食べる朝食、昼食は糖質の多い食品は即効性エネルギーになるのでOKですが、夜は運動量が減るので夕食の糖質は極力控えるべきです。
もう一つの提案です。メタボリックシンドロームの人は体内に備蓄エネルギーがあります。それが中性脂肪です。糖質を控え備蓄エネルギーを利用しませんか。中性脂肪を消費した分だけ痩せていきます。もし糖質制限基準の災害食があれば鬼に金棒!さらにバテることなく動けます。
糖質制限基準のパラダイムシフト災害食
それでは複数の糖質制限推進派医師や実践者が備蓄している災害食をチェックしてみましょう。
超低糖(若しくはゼロ)、必須アミノ酸と必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルの摂取が重視されています。日頃から食べている食品なので補充しながら一定量を保つローリングストックを行っています。
まずはこの食品を!
- サバの水煮缶、ツナ缶、焼き鳥の塩焼き缶
- コンビーフ缶
- ナッツ類
- バック入り鰹節
- 鶏ささみのプロテインバー
- あたりめ、スルメ、ホタテ貝柱:味付きではないもの
- ビーフジャーキー
- 冷凍した低糖質のパン
- パック入りの低糖麺
- ハイカカオのチョコレート
- 有精卵 :非常時の移動向きではないですが完全栄養食。常温で保存可能
- ほうじ茶、水
エネルギー源になる脂質
糖質(ブドウ糖)の代わりにエネルギー源になるのが【脂質】です。ケトン体エネルギーなので持続性があり腹持ちもいいです。注)一般的な食生活(糖質過多)ではケトン体は利用されません。
【写真はバターオイル】
- バターオイル(ギ-) 常温で保存可能
- チューブ入りラード 常温で保存可能。日頃そのまま食べている医師もいます
- オメガ3系アマニオイルやエゴマオイル 常温で保存可能。加熱せずに食品にかける
- 中鎖脂肪酸系MCTオイルやココナッツオイル 常温で保存可能。即効性のあるエネルギー源です。MCTオイルは空腹で摂取するとお腹が緩くなることがあるので缶詰食品などにかけて召し上がってください
- バター 10度以下の温度では保存可能
- マヨネーズ
サプリメント
上記2品目は、糖質制限推進派医師の多くが日頃から摂取しているサプリメントです。
- ホエインプロテイン コンパクト、日持ち可能、調理は不必要。アミノ酸スコア100%で効率が良くタンパク質含有量が79%、必須アミノ酸がしっかり摂取できます。ストレス状況下でも飲みものは喉を通りやすいです
- ビタミンB群、ビタミンC 高ストレス状況下では多量に消費するので補給して欲しいです
- 食物繊維のための粉末セルロース
Pocorinお奨めの災害食
◆ ロカッチ
少量で満足します。腹もちのよいスナックです。余り塩辛くなく美味しいです。
◆ せんじ肉
乾燥させた豚肉ホルモン、鶏皮、鶏肝などです。たんぱく質が豊富なうえに常温保存が可能です。
この記事公開以来いろいろなせんじ肉を頂くようになり、写真のブラックパッケージ「広島名物せんじ肉」もお奨めです。
【デリカミート有福】ウェブサイト:http://www.senjiniku.com/ TEL:082-276-2700
◆ 万能薬味 ごまねぎ海苔
いりごま、乾燥ねぎ、のりが入った低糖薬味です。味付きなのでふりかけるだけ。
【浜乙女】TEL: 0120-147-178 店頭、Amazon、楽天、Yahooなどで入手可能です。
◆ 味噌玉
もともと戦国時代からの保存食です。玉状にした味噌をワラに包んで乾燥させました。岩石のように見える写真の味噌玉は7年もの。八丁味噌を冷蔵庫で3年以上保存してつくりました。使用する時はおろし器かナイフで削ります。独特な風味があります。
最近は粉末だしや具材(乾燥わかめ・乾燥シイタケなど)を入れた味噌を小分けにしたモノを「味噌玉」と呼んでいるようです。味噌なので常温保存ができます。上記の「ごまねぎ海苔」を混ぜても!
日頃からスタミナのある体づくりに励む
60代の筆者は、MCTオイル、卵、ナッツ、チーズと水分補給だけで、猛暑の中での草取り、荷物だらけの空き家の片付けを延べ約1ヶ月間、バテることなくエネルギッシュに出来た経験があります。もちろん作業後も疲れ知らずです。
「糖質制限+たんぱく質と脂質をタップリ摂る食生活」によりケトン体体質に変わり、加圧トレーニングにより筋肉がついたことで、20代後半からボロボロだった体が動ける体になりました。
日頃からスタミナある体づくりに励み、万一の時も動ける体になっておきたいものです。これは新型コロナウイルス予防としての免疫力のある体づくりにも一役買うことになります。
新型コロナウイルス共存の状況下、大雨、台風など自然災害に備えて、日頃の食生活、災害食を今一度考えてみて下さい。
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