2割の前向きな医師たち:二人の先頭ランナー

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人が新しいことをはじめる時に、2割が前向き、6割が日和見で、2割が反対。または8割が新しいことを嫌がるそうだ。

糖質制限の推奨医師の多くが「私は、普通の医師と比較するとかなり変わっていると思う。」とおっしゃるが、それは、固定観念にとらわれず、新しいモノに取り組む才覚を持っている〈2割の前向きな医師〉とも言える。

また、〈2割の前向きな隠れ医師〉もしくは〈6割の日和見医師〉といえる境界線医師もいる。
自身が糖尿病で糖質制限食を実施し、そのすごい効果を確認したので、クリニックでは患者に指導している。だが、糖尿病専門医に糖質制限のことを話すと不快な反応が返ってくるので、表立って宣伝はしたくないという。糖尿病の食事療法に糖質制限食を薦める医師の多数が、糖尿病専門医ではなく、非専門医だということが、ここからも理解できる。

そして、わずか〈2割の前向きな医師〉の先頭を行く一人が、夏井睦先生だろう。

夏井先生は、湿潤療法のパイオニアとして、練馬が丘病院・傷の治療センターで傷治療に当たっている。さらに、新しいモノに目を向ける才覚を、糖質制限にも向け、自ら減量と体質改善を実証した。現在、湿潤療法と糖質制限の普及に尽力されている。

Pocorinを公開してまもなく、夏井先生のウェブサイト新しい創傷治療(2015/8/18記事)にリンクして頂いた。そのご縁で、先日、その夏井先生主催の〈豚皮揚げを食べる会in京都〉にも参加させて頂いた。糖質制限推奨の医師、鍼灸医、漫画家、デザイナー、主婦など多種多様の低糖人が、それぞれ糖質制限の料理やドリンクを持ち寄るとてもアット・ホームな会だ。スリムな身体にちょい悪オヤジ・ファッションが似合う夏井先生は、お酒を召し上がりながら、カプースチンの超難度ピアノ曲をかっこよく弾いている。

この会のネーミングにもある、ポークおじさんこと林さんが会場で揚げる豚皮は、糖質ゼロだけでなくコラーゲンもたっぷりあるそうだ。※ポークおじさんの豚皮揚げは、ショッピング欄で掲載予定なのでお楽しみに。

〈豚皮揚げを食べる会in京都〉には、もう一人の先頭ランナーである江部康二先生も出席された。
江部先生は、糖質制限食を体系化し、自身の糖尿病も克服。京都の髙雄病院で2000以上の糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームに対する糖質制限食の治療効果を実証している糖質制限の第一人者だ。

両氏は、有名な医師なので通常の診察以外にも超多忙だろうが、新しい創傷治療(夏井先生のウェブサイト)、ドクター江部の糖尿病徒然日記(江部先生のブログ)を通して、役立つ情報を絶えず発信している。糖質制限の推奨医師がまだまだ少ない背景に、〈2割の前向きな医師〉の先頭ランナーである両医師の ”走りっぷり”に、強い志を感じる。

会のエンディング、参加者から「色々な先生方が糖質制限関係の本を出されていますが、どのように思っていらっしゃいますか。」という質問に対し、江部先生は「私は、けっして “糖質制限の元締め” ではないので、いろいろな方の本で糖質制限が世間にひろまることは歓迎すべきこと。」とユーモラスに応じた。

親交が深い二人が奏でるサイモンとガーファンクルの名曲「明日にかける橋」を聴きながら、糖尿病患者のため、メタボリアンのため・・・前向きな医師が2割から3割、そして4割と増えてくれることを祈った。

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