糖質制限のメリットとデメリットを天秤にかけて、糖質づけの食生活を180度転換して糖質を控える食生活を始めてみませんか。新しいことを始める時に、2割が前向き、6割が日和見で、2割が反対、または8割が新しいことを嫌がるそうです。さて、あなたはどのタイプになるでしょうか。
糖質制限のメリット
糖質制限の大きなメリットは即効性のある効果と言えます。
◆ 食後の血糖値が上昇しないので血糖値コントロールに有効的
糖質制限では、血糖値を上げる糖質を摂らないので食後の血糖値はほとんど上がりません。つまり、糖尿病の血糖値コントロールに有効的です。
◆ 即効性のある減量効果
血糖値が上がらないと太るホルモンのインスリンが分泌されないので、太る要因がなくなります。
3食ごはん抜き、糖質量を1日60gに抑えるスーパー糖質制限を実践すると、内臓脂肪の多い男性の場合は1,2週間で2,3kg、1ヶ月5kg程度の減量はできます。一方、皮下脂肪の多い女性の減量効果は男性よりもゆるやかです。
◆ メタボリックシンドロームの改善
メタボリックシンドロームは、肥満(内臓脂肪型)に加え、高血圧、脂質異常、高血糖のうち2つ以上の症状を併せもっている状態のことを指します。
体重が減少するので、血圧は正常になります。また、脂質異常の症状である中性脂肪とLDLコレステロール値は下がり、HDLコレステロール値は上がるため、高血糖も改善されます。糖質制限を実践して健康診断のこれらの数値が正常になったという話はよく耳にします。
◆ 満足感が得られる
糖質制限は「糖質量基準」なので、カロリー制限ダイエットでNGだった食品をたっぷり召し上がれます。カロリー制限ダイエットと違い、食べる量が制限されないので、空腹を我慢する辛さはありません。
◆ カロリーが高い(=脂質が多い)食品が食べられる
糖質制限では、糖質(グルコース)エネルギーからケトン体エネルギーを利用する体質に変わるので、ケトン体エネルギーの元である脂質をタップリ摂ります。つまり、高カロリーでも低糖の肉類、チーズ、バター、マヨネーズ、オイルなどはお奨めの食品です。肉類についている脂身もどうぞ召し上がって下さい。ただし焼き肉などは糖質の多いタレではなく塩とこしょうの味つけで。
◆ 油物が食べられる
脂質がOKなので、炒め物、揚げ物などの油を使った料理が食べられます。ただし揚げ物の衣は糖質が多いので外して召し上がって下さい。中華料理でとろみをつける片栗粉は糖質が多いのでこちらも注意が必要です。
◆ めんどうな計算が要らない
糖質の多い食品群を控えるだけなので、食事品目のめんどうなカロリー計算が必要ありません。
【改訂版】糖質の多い食品と少ない食品 でどんな食品を控えるべきかチェックしてみて下さい。
◆ お洒落で若々しいイメージに変身!
いくら高価なスーツやファッショナブルなドレスを着ていても、ポッコリおなかやムッチリ背中ではイメージが半減してしまいます。スマート体型になってユニクロをお洒落に着こなして颯爽と歩いて下さい。「別人!」「若返った!」と言われるはずです。
糖質制限のデメリット
デメリットには、その解決策があります。
◆ 誘惑の多い食環境では難しい食生活
取り巻く食環境は糖質の多い食品であふれ糖質過多の食生活が当たり前になっていますが、体はむしばまれています。
ご家族、友人、知人に、肥満、境界型糖尿病、糖尿病、高血圧症、高脂質症などの生活習慣病を患っている人がいませんか。このような人は自覚症状のないまま動脈硬化が進み心疾患、脳卒中等が起こりやすくなります。
糖質過多の食生活を続けていると上記のリスクは確実に高くなります。人事ではありません。健康は失ってからでは遅いことを再認識して下さい。
◆ 何を食べて良いのかわからない
お昼に定食、おにぎり、カップ麺、カレー、うどん、ラーメンなど食べていたサラリーマン、ごはんに合う献立を考えていた主婦など、糖質制限を始めると「何を食べて良いのかわからない」という人が多いのも事実です。
脂質とたんぱく質が摂れる肉類、豊富なたんぱく質とミネラルが摂れる卵をはじめ魚介類、チーズ、ナッツ類などをたっぷり召し上がって下さい。
焼く・煮る、塩とこしょうのシンプルな料理が増えてきます。ごはん無しの食事は自然と減塩になっていきます。またケトン体体質になると3食をきっちり摂らなくても活動的に動けるようになってきます。実際に糖質制限実践派医師の多くは1日1、2食です。
低糖質のレシピ本もたくさん出ています。Pocorinも低糖レシピ、ドクターの糖質制限食などを掲載中です。
◆ エンゲル係数が高くなる
ごはんをはじめ炭水化物(糖質)でおなかを満たしていた食生活から、肉・魚メインの食生活に変わるので、ある程度食費が高くなります。代替品の低糖質パンや低糖質スィーツなどは価格は高めで、ネット購入では送料もかかるのもネックです。
しかし、糖質制限実践者は色々な工夫をしています。脂肪を気にすることがないので安いバラ肉や鶏肉などを利用しています。余計な食材やあれこれおやつを購入しなくなるので逆に無駄な出費は減ります
体質改善されるので薬代や受診料など医療費は軽減するので、相対的に見るとトントンかもしれません。
◆ 疎外感がある
糖質制限を始めると、家族、友人、会社の同僚など、糖質制限に理解がない限り特異な目で見られることもあります。また、減量してスリムになった体型を快く思わず「不健康に見える」「糖質を摂らなければ体を壊す」等と不適切なことを云う人もいます。”糖質制限教”と揶揄する人もいます。
こうして周りの目を気にして、仲間はずれになりたくないからと糖質制限を止める人もいます。しかし、病気になっても他人は変わってくれません。体の声を聴きながらどの食生活が適切なのかを考えてみて下さい。
◆ 糖質依存症から抜けるのはたいへん
日頃から糖質を過剰に摂取している人は、絶えず糖質を食べていないとイライラしたり気分の抑揚が激しいです。糖質を摂り血糖値が上がると陶酔感と幸福感に満たされますが、血糖値が下がり始めると糖質をまた摂りたくなるという悪循環になりがちです。ポテトチップスが止まらない。スィーツを食べるとまた欲しくなる。という人は糖質依存症になっています。
糖質は依存性があるので、糖質制限だけでは脱却は大変難しいかもしれません。強い意志も必要となってきます。
塚本雅俊医師が釘を刺す「糖質はアルコールや麻薬以上の依存性物質だ!」をご一読頂けると糖質依存の怖さが判ります。
◆ 糖尿病の食事療法として糖質制限を推奨している医療機関が少ない
現在、日本では糖尿病の食事療法として公式に認められているのはカロリー制限だけです。
糖尿病患者がかかりつけの医師に糖質制限を相談する場合、通常は反対されるケースが多いようです。しかし、臨床医を中心として糖質制限を取り入れる医療機関は増えてきていますので、まずはセカンドオピニオンとして糖質制限推奨医の意見を聞くことからはじめてみては、いかがでしょうか?
※ 糖質制限推奨医師は医療情報から
◆ 糖尿病の食事療法としての正式なガイドラインがない
現在、日本にはどのような糖尿病患者に対する安全且つ有効なガイドラインがありません。
しかし実際には糖質制限推進派医師は糖尿病患者の症状に合わせた適切な糖質制限の指導を行い血糖値コントロールは良好のようです。
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