糖質制限では、三大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)の中で、糖質は控える代わりに、40%~50%の脂質、30%以上のたんぱく質を摂取する。
そんなに脂質を摂ったらコレステロールや中性脂肪が増えるという不安とは逆に、コレステロールや中性脂肪の値は正常になる。ところが、閉経後の女性は少し違うようだ。
コレステロール値が高い肉食系50代
痩せ型の肉食系筆者(50代後半)は、毎日肉類を200g以上、バター、チーズ、マヨネーズ、MCTオイル、アマニオイル、オリーブオイル、卵など、脂質とたんぱく質をたっぷり摂っている。糖質制限と加圧トレーニングのおかげでエネルギッシュに動けている。
ところが、筆者のコレステロール値はすこぶる高い。そして2つの医療機関の対応は真逆だった。
先ずは甲状腺の検査で総コレステロール値が311もあった。基準値範囲220を大幅に超えていたので、診察医から脂質を控えるように注意された。
一方、糖質制限推奨の吉田内科クリニックで受けた血液検査結果も、総コレステロールは307あった。実は糖質制限を始めるとケトン体値が上昇するので、この血液検査はケトン体値を知るのが目的だった。
吉田内科クリニックの検査結果
- HDLコレステロール 98(基準値範囲40-90)
- LDLコレステロール 209(基準値範囲70-139)
⇒ 総コレステロール 307 - 中性脂肪 63(基準値範囲50-149)
- ケトン体 866
おもしろいことに、院長の吉田先生の対応は真逆だった。
HDLが高いので高数値のLDLは気にすることはないです。HDLが高い人は長生きします。
体のエネルギーになるケトン体値が866あるのは、体が糖代謝からケトン代謝になっている証拠。
糖質制限を頑張っているね!
田頭医師のガッテン!アドバイス
筆者(50代後半)の高いコレステロールなどに関する疑問に対して、たがしゅうブログでおなじみ神経内科医 田頭秀悟先生から明快なアドバイスを頂いた。
■ コレステロールは人体にとって不可欠
■ コレステロール上昇は生理的現象
女性は、閉経に伴い女性ホルモン値が急速に低下するので、その機能を代償しようと、原材料であるコレステロールの内因性産生が高まります。ですから、閉経後にコレステロールが上昇するのは生理的現象です。
女性ホルモンであるエストロゲンの材料がコレステロールです。
閉経女性で、コレステロールが高くなることは決して悪いことではなく、身体にとって防御反応です。基本的に閉経後にコレステロールが一時的に増加するのは、環境に適応しようと身体が正しく頑張っている証拠なので、むしろ歓迎すべきことなのです。
■ 体調に合わせて脂質を摂る
(筆者の)データを見ると、中性脂肪も正常ですし、体調が宜しければ、脂質を控えなさいという医師の助言は無視してよいと思います。
ただし、体調が悪ければ脂質の量に消化吸収機能が適応できていない可能性があるので、その場合は確かに「脂質を控えなさい」という助言は妥当です。
理論的には低糖質が正しくとも、最適量は理論ではなく実践の中で身に着けていくのがよいと思います。
注意して欲しいのは、消化吸収能力が低い方は、無理せず徐々に消化管を(高脂質の)糖質制限に適応させていくスタンスが必要なのではないかと思います。その際もサプリなどで強制的に腸管を整えるのではなく、身体の声に従いながら食事量を調整していくスタンスがよいかと思います。
田頭先生のアドバイス
スーパー糖質制限を実践していた友人(60代女性)ですが、医師にコレステロールが高いので脂質を控えるように言われ、バターや脂肪の多い肉類を余り食べなくなりました。痩せて中性脂肪も正常になっていたのですが「やっぱり、おにぎりを食べないと」と開き直ってしまいました。
残念ですね。
一般的な医師は「コレステロールが高い=動脈硬化」とすり込まれているので、別の視点から診断することも、聞く耳を持たないので、議論になりません。
総コレステロールの内訳であるHDLコレステロールとLDLコレステロールのデータなしで「高い!」と言われたことも釈然としないのですが・・
総コレステロールだけで判断するのは論外です。コレステロールが低ければ低いほどよいと言うスタチン大好きな動脈硬化学会ですら、総コレステロールの診断基準は撤廃しています。
閉経後の女性で、ごはん、ぱん、スィーツ、くだものなどの糖質を普通に摂り、コレステロールや中性脂肪が高くなるのは、糖質過多にも原因があることを覚えておいて下さい。
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