【糖質制限実践レポート File No.3】甘い物が止められなかった女医が試みた3つのダイエット・前編 レコーディング・ダイエット~糖質制限

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女優中谷美紀が、糖質制限実践者で肉食系女子だと話題になったが、糖質を控え、肉、タマゴ、チーズをメインに摂るMEC(メック)食で、若さと美しさを保っている肉食系女子、産婦人科医 田中亜矢子先生(仮名)の3つのダイエット話を前編・後編に分けてご紹介する。

田中先生が目指していたのは、脱「甘い物依存症」!


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甘い物依存症の人生

田中先生は、若い頃からイライラすると甘い物を爆食していた。食べても食べても満たされず、おなかが膨れて食べられないのに止まらない。食べてしばらくすると、また甘い物が欲しくなりイライラする。

糖質は依存性が高く、糖を摂り一時幸せな気分になるが、またすぐに欲しくなる。麻薬中毒ならぬ「糖質中毒」だ。田中先生は、この「糖質中毒」で、特に「甘い物依存症」の一人だ。

約6年10ヶ月間、甘い物依存を脱するために、レコーディング・ダイエット → 糖質制限 → MEC食 のダイエットを実践した。

カロリー制限のレコーディング・ダイエット

レコーディング・ダイエットとは、毎日食べたすべての物とそのカロリーを記録(レコーディング)していく。1日の摂取カロリーを決め、好きな物は食べてもよい。記録を見直すことで、心理的にも食べ過ぎの抑制効果が生まれる。

PMS(月経症候群)によるイライラ、季節変動制うつ病(9月~2月末)の不安定な精神状態を抱えたまま、2010年1月に、レコーディング・ダイエットを始めた。

食べた物をすべて書き出すので、食べ物と体重との関連も見えてくる。すでにこの頃、肉類は高カロリーだが、体重が増えない食品だと気づいていた。しかし、あくまでカロリー重視の観点からダイエットに取り組んでいた。

ダイエット中でも甘い物が止められない

先生の1食の摂取カロリーは350~400kcalだった。白米ごはんを100kcal分(半膳以下)を摂る。おかずは量は少ないがしっかり食べる。肉の脂身は摂らず低カロリーの野菜をたくさん摂っているので大丈夫だと思っていた。

しかし、甘い物は止められず、食事を減らしてでも、100~150kcalのケーキやお菓子はしっかり食べていた。例えば、2食の食事を350kcalに抑えられたらケーキ1個はご褒美。または2食抜いて代わりにケーキやピザを食べる。これでも甘い物は総体的に減ったそうだ。

ダイエットを始め8ヶ月で8kg痩せたが、げっそりと不健康な痩せ方だった。体もしんどくなり、夏でも寒さを感じていた。食べ物を抑制しているので、いつも食べ物のことを考えている有様だ。

レコーディング・ダイエットは、翌年2011年11月まで続けたが、精神的にも負担が多く、期待した食生活の改善=脱「甘い物依存症」は実現しないままに終わった。

レコーディング・ダイエットから糖質制限へ

2011年、湿潤療法パイオニア夏井睦医師のウェブサイト新しい創傷治療で、夏井医師が糖質を控えたことで、減量だけでなくメタボリックシンドロームも改善したことを知り、その効果に興味をもった。

「インスリンは血糖を下げるホルモンだが、脂肪をつくるホルモンだ。ゆえに、糖質オフにしたらインスリンが分泌されないので痩せる。」このメカニズムは研修時代に気づいていた点だ。

それにあの夏井医師が、湿潤療法と同様に、自ら糖質制限を実体験し「これはすごい!」と認めたのだから、やってみる価値あり!と判断した。

さらに、医師として自分の体で人体実験をしなければ、人には奨められないという自負もあり、糖質制限という言葉を知らないまま、糖質制限を始めた。

スーパー糖質制限のメニュー

糖質制限推奨派医師の多くが、1食10g~20g、1日30g~60gのスーパー糖質制限を実践している。そして1日1、2食と少食だ。田中先生は、同様レベルの糖質を控えたが、3食はきっちり食べていた。

  • 朝食 チーズ、コーヒー、ヨーグルト(少量)、ベビーリーフやトマトのサラダ
  • 昼食 自分でつくった弁当(ごはん無し、肉、たまご料理など)チーズ。職場の人と食堂で昼食を一緒に食べる時は、おつきあいで、ごはん(小)を食べることもあった。
  • 夕食 肉、たまご料理がメイン。豆腐でつくるごはんもどき。デザートは低糖スィーツ。

糖質の多いパスタ、ピザ、サンドイッチなどのメニューしかないカフェで、友人達と食事をする時は、低糖質のボリュームのある中身のサンドイッチを選び、中身だけを食べていた。

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サンドイッチの中身は肉と野菜がたっぷり肉、魚、野菜などバランスの良い「糖質オフ」の食事を目指していたので、魚介も摂っていた。

低糖質のエビサラダは魚介と野菜摂取の目的で

ごはん抜きは意外に平気だったが、甘い物は止められず、低糖食品が全般にそろう糖質制限ドットコムから低糖パンや低糖スィーツを頻繁に取り寄せていた。

女性にうれしい効果を実感

糖質制限を始めてわずか1ヶ月後に、女性にうれしい効果を実感した。

  • 糖質を食べると体が冷える。糖質過多の生活をしていたので冷え性がひどく、大の猫好きでもストーブの前だけは猫にゆずれなかった。それが、糖質制限により抹消血流が改善し、冷え性だけでなく月経痛も改善した。
  • 長年つらかったイライラ、季節変動性うつ病、生理前のPMS(黄体期うつ状態)が改善した。PMS改善のためのOC(低容量)ピル服用と糖質制限の時期が重なるので断言はできないが、糖質制限中にOCピルを止めてもPMS症状は出なかったので、糖質制限はPMS改善にも効果がありと考えている。しかし、糖質過多が、気分の抑揚を増幅させるのは間違いない!そうだ。
  • 間接的な効果としては、精神的に落ち着き、ストレスもなくなり、生き方にも変化が現れた。衝動買いをしなくなった。物への執着がなくなった。さらに、勤務後にもエネルギーが残っているので、帰宅してから時間を決めて断捨離を決行。おかげで部屋の荷物が減った。
  • 肌の状態が驚くほど改善した。吹き出物が出なくなり、脂性の皮膚も改善して、肌のテカリもなくなり、あぶらとり紙が必要でなくなった。
  • もともとボリュームがない髪質だったが、髪をお湯だけで洗うと髪質・頭皮状態が良くなる『湯シャン=シャンプレス』を2009年から続け、その効果を実感していた。そこに糖質制限を実践したことで、皮膜のベタベタがなくなり、さらにコシとツヤが良くなった
  • 外見の印象が変わった。1ヶ月2kg減とあまり体重は変わらなかったが、痩せにくいおなか、二の腕がしまり、顔やデコルテはげっそりしなかった。

その他の効果

  • 胃痛も改善。もともと胃が悪く2009年に胃カメラ検査をしたが問題ないと判断された。薬を服用していなかったので、胃痛改善の効果は、糖質制限によるものだと確信した。
  • 日中の眠気が少なくなった
  • 歯垢の原因である糖質を摂らないので、歯がつるつるになった

糖質制限中に困ったこと

こうして糖質制限による効果は確かに実感したが、困ったことも経験した。

  • 食費が高くなる。低糖パン、低糖スィーツなど低糖食品をネット通販や店頭で色々と購入し、お金がかかることを実感した。
  • ごはん代わりにおかずを一杯食べようという糖質制限は品数が必要なので、たまに料理が面倒に感じた
  • 豆腐チャーハンなど、ごはん代わりの「もどき料理」は手間がかかった
  • 今もそうだが、糖質制限の実践者ではない人達との会食は苦労する。家族との食事は、糖質一杯のおかずが出てくるのであきらめる。友人との食事は、幹事を担当して、低糖質の品を選べる居酒屋、フレンチ、焼き肉などのお店を選ぶようにする。
  • 実際に、糖質制限実践者の数はまだ少ない。つまり同じ目線で話せる相手が少ない。一方、夏井睦先生主催の豚皮揚げを食べる会、オフ会などに参加することで、話せる知り合いが増えてきた。

低糖スィーツは、脱「甘い物依存症」の妨げになる

糖質制限で、精神的不調は改善したが、たまに無性に甘い物が食べたくなる衝動にかられる。そんな時は、低糖スィーツなどの代替食品を利用していた。しかし、禁煙を試みている人が、隣でタバコを吸われるとタバコを吸いたくなるように、低糖スィーツにより「甘い物食べたいスイッチ」が入ってしまう。

低糖スィーツの食べはじめは甘みを強く感じるが、食べていると甘みに慣れてしまい、甘みの美味しさが口の中に広がる。「甘い物食べたいスイッチ」ON!だ。

低糖スィーツの多くは冷凍品なので保存可能だ。ネット通販での購入は送料なども考慮してまとめ買いをしてしまう。その結果、自宅に甘い物があるからつい食べてしまう。さらに、低糖だという安心感もあり、結局1個で止められなくなる。

2年以上糖質制限に取り組み、低糖スィーツは、甘い物依存症からの離脱をはばむのではと思うようになった。結局、糖質制限では甘い物依存症は改善されなかった。

後編は、糖質制限からMEC食へ移行し、今も実践しているMEC食により「甘い物依存症」が劇的に改善したことなどを追ってみたい。

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