なぜ太るのでしょうか?なぜ肥満になるでしょうか?脂肪とは何でしょうか?なぜ肥満が怖いのでしょうか?一つずつ説明していきます。
太るメカニズム
- 食事で糖質を摂ると血液中の血糖値は上がります。そして血糖値を一定にするために、すい臓からインスリンを多量に追加分泌することで、ブドウ糖は肝臓や筋肉に取り込まれ血糖値は下がります。
- インスリンは、血糖値を下げる唯一のホルモンですが、「太るホルモン」とも呼ばれる通り、肝臓や筋肉に取り込まれなかった余分なブドウ糖を中性脂肪に合成して脂肪細胞の中に備蓄します。
- 糖質を過度に摂り続けると、インスリンも休まずに分泌を続けますので、中性脂肪がさらに増え、中性脂肪を備蓄する脂肪細胞が一杯になると脂肪細胞が分裂します。こうして脂肪細胞が増え続けることが肥満につながります。
- さらに肥満細胞は、インスリンの効き目を悪くします(インスリン抵抗性)。そのため血糖値を下げるためにインスリンがさらに分泌されるので、ますます太っていきます。
- 膵臓が休まずにインスリンを分泌し続けると、ついに膵臓が疲弊してインスリン分泌ができなくなり、糖尿病になります。
白人はインスリン分泌能力は日本人の倍あるので、血糖は上がりにくい分、容易に肥満します。BMI40位の肥満でも、糖尿病の評価指数であるHbA1C値は正常値範囲でとどまっている事が多いようです。
痩せるメカニズム
糖質制限では、糖質を控えるので血糖値が上がらないので、過度のインスリン分泌が抑えられます。
糖質制限では何故やせるのか、以下の記事をご一読下さい。短期間の減量は、女性より男性の方が早く効果がでます。
脂肪とは
ダイエットなどで口にする「脂肪」とは、なんでしょうか?
人の体内にある脂肪は4種類あります。中性脂肪、脂肪酸、コレステロール、リン脂肪で、体脂肪として、皮下脂肪、内臓脂肪、血中脂肪、細胞膜を構成する脂質の中に存在しています。
- 皮下脂肪=中性脂肪
- 内臓脂肪=中性脂肪
- 血中脂肪=中性脂肪と遊離脂肪酸(内臓脂肪が溶け出したもの)とコレステロール
- 細胞膜を構成する脂質=リン脂肪とコレステロール
皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満
肥満には皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満という2つのタイプがあります。
◆ 皮下脂肪型肥満(洋なし型肥満)
中性脂肪が、皮膚の下に付き、たまりやすく、落ちにくい特徴があります。おしり、太もも、下腹部や二の腕などに、脂肪が過剰にたまります。主に体脂肪が下半身につくので「洋なし型肥満」ともいわれています。このタイプは女性に多く見られます。
◆ 内臓脂肪型肥満(りんご型肥満)
中性脂肪が、小腸から近い腸間膜のまわりに付き、たまりやすく、また減らしやすい特徴があります。おなかがポコッと出たら、内臓まわりに中性脂肪が過剰に貯まっている状態です。上半身に脂肪が多く付くので「りんご型肥満」ともいわれています。
このタイプは30歳以上の男性や更年期の女性に多く見られます。やせ型や普通体型の人もウエストが太くなったら、内臓脂肪が増えているので注意が必要です。
この内臓脂肪型肥満が、生活習慣病に深く関係する肥満脂肪で注意が必要です。
内臓脂肪型肥満から生活習慣病へ
「内臓脂肪型肥満」+「高血糖/高血圧/脂質異常のうちどれかが2つ以上の状態」をメタボリックシンドローム と言います。メタボリック・シンドロームになると動脈硬化が進みます。
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動脈硬化は、自覚症状がでないので、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中に襲われるということがあります。おなかがポコッと出はじめたら、まずはメタボリックシンドロームにならないよう、糖質制限による即効性のある減量から始めてみませんか。
肥満度をチェックしてみよう
体脂肪率とMBIで、肥満度をチェックしてみましょう。体脂肪率は、家庭でも体重体組成計があれば、簡単に測定できます。体組成とは、筋肉、脂肪、骨など体を構成する組織のことです。体脂肪率の測定は、体内の水分量により変動しやすいので、食後2時間以上たってから測定してください。
◆ 体脂肪率
男 性 | 10%未満 | 10〜20%未満 | 20%以上 | 25%以上 | 30%以上 |
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女 性 | 10%未満 | 10〜20%未満 | 20%以上 | 25%以上 | 30%以上 |
判 定 | 痩せている | 標 準 | 軽度肥満 | 中度肥満 | 重度肥満 |
◆ BMI (Body Mass Index)
BMIとは体格指数のことで、肥満度を判定する国際的な基準です。
BMI=体重kg÷身長m÷身長mで算出することができます。
BMI | 18.5以下 | 18.5〜25未満 | 25〜30未満 | 30〜35未満 | 35〜40未満 | 40以上 |
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判 定 | 低体重 | 普通体重 | 肥満 (1度) | 肥満 (2度) | 高度肥満 (3度) | 高度肥満 (4度) |
※ BMI 35以上を高度肥満と定義します。
理想体重の求め方は、22×身長m×身長mとなっており、理想的なBMIは22です。
例えば)体重90kg、身長172cm 90÷1.72÷1.72=30.42→ 肥満(2度)となり、上記の人の理想体重は、22 X 1.72 X 1.72 =65.08で約25kgオーバーです。
BMI判定は普通体重なのに体脂肪率が高い人は、内臓脂肪が多い「かくれ肥満」です。
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