筆者は、現在155cm、40.3kgだが、かつての洋服サイズは11号~13号、体重は60kgを超えたぽっちゃり体型だった。
7年間、カロリ-・ダイエットと運動による減量を試み続けた。体重を50kgまで落とすことが目標だったが、減量とリバウンドの繰り返しで、18歳~26歳まで体重は55kg~64kgの間を推移し、決して50kgを切ることはなかった。
そして、カロリー基準のダイエットと激しい運動では痩せないことを身をもって体験した。
アメリカ留学中の凄まじい食事内容と量で一気に太る
社会貢献のひとつとしてPocorinの運営をしている栄陽子留学研究所を通して、筆者は18歳でアメリカへ留学した。語学留学ではないので、英語で大学の授業についていくストレスで、絶えず何かを口に入れないと落ち着かない。食べても満腹にならないので、また何かを口にする。
そして、体重計の数字は日に日に増えていった。
当時を振り返ると、食べていた食品は糖質の”かなり”多いものばかり。食べる量も半端なく多い。
さらに、早食いで何かをしながら食べるので、食べている自覚がない。← 皆さん、スマホを見ながら食べていませんか?
※赤文字の食品はすべて糖質が多い
- 朝食からシナモンロールやドーナツを1度に3、4個は当たり前。ドリンクはオレンジジュースか牛乳。
- バターピーカン・アイスクリームが大好物。大きな箱入りを「大きなスープスプーン」で食べるのでいつも完食してしまっていた。
- ハンバーガーはお昼の定番。ビッグマック1個、フライドポテト(Lサイズ)では物足りず、ダブルチーズバーガーとアップルパイを追加。
- ピーナッツバターとイチゴジャムのサンドイッチにはまり、1回の量はトースト4枚。
- 夜食に直径60cm大の宅配ピザをルームメイトと注文して2人でペロリ。それでも一応ダイエットペプシを飲んでいた。・・・などなど
糖質中毒を加速させたアメリカ版サイズ
糖質は依存性があるので、すっかり糖質中毒になっていた。
さらに糖質中毒を加速させる間接要因が、アメリカ版サイズ だ。
まずは、食品が入っている容器が大きい。例えば、ペットボトルの普通サイズはだいたい3ℓ以上もある。
さらに、お皿、コップ、スプーンなど食器サイズまで大きいので、自然と食べる量も多めになる。最初こそ大きなサイズにビックリしたが、そのうち目も胃も慣れてしまい、日本で食べる1.5倍以上の量を当たり前のように食べていた。
例えば、こんな感じだ・・・
- 1リットルは入るコップに、オレンジジュースやダイエットペプシを入れ、バケツサイズの容器にはいったポップコーンをひたすら食べる。
- 1袋の量が日本の5倍位は入っているだろうポテトチップスは、ダイエットペプシを飲みながら「止められない。止まらない。」たいがい完食。
5ヶ月で12kg体重増!
留学1ヶ月目で7kg増えてしまうと、体型を気にしながらも、糖質中毒なので糖質過食は止められない。
こうして、新学期が始まった9月には体重12kg増のぽっちゃり型Freshman(新入生)になってしまった。
その後も体重は増え続け、お腹周りや太股が立派になり(太くなり)、日本から持参したパンツは入らなくなった。ジーンズのサイズも29から31へ。実家からゴム付きのLサイズおばちゃんパンツを送って貰ったりもした。
洋服のサイズは9号から13号になっていたが、アメリカではこの太さは普通だ。よって、留学中の最初の2年間は余り気にせずダイエットも考えなかった。
しかし帰国する度に、父親からは「(ジーンズ姿を見て)でかい尻だな」叔母からは「(スカートから出ている足を見て)象みたいだね」近所の子供には「(お腹がはち切れていたので)ズボンのファスナーが開いているよ」などと言われ続け、20歳の乙女は減量を決心をした。
7年間の痩せない減量方法
留学中も帰国してからも、ありとあらゆるダイエットと激しい運動を試みた。いつも痩せることばかりを考え、空腹を我慢しながらの辛いダイエットとリバウンドの繰り返しの7年間だった。
当時、カロリーを抑え、運動で体を「燃焼」させれば痩せると信じていた。 ※ 体は「燃焼」ではなく「代謝」でエネルギーをつくる。
しかし、糖質を過多に摂っている限り痩せるはずはなく、糖質中毒からも抜けられない。
- 留学中のダイエット期間は、学生食堂へは行かず、朝食なし。昼食と夕食の定番メニューは、5種類以上の野菜、豆類、カッテージチーズ、ワカメ入りのサラダに、『ノーカロリー』ドレッシングをかけて食べるだけ。⇒ 大切なたんぱく質と脂質がほとんどない栄養失調メニューだ。女性のダイエットは今でもこのタイプが多い
- 「ノーカロリー」のマーガリンとイチゴジャムをぬった10kcalの薄いライ麦パン1枚、ヘルシーなイメージから「ローカロリー」フルーツヨーグルト、生の甘い人参、くだもの、シリアルバー⇒ すべて糖質の多い食品ばかり
- ジャガイモダイエット、リンゴダイエット、グレープフルーツダイエット、バナナダイエット、こんにゃく& 寒天ダイエット、ゆで卵ダイエットも試みたが、どれも同じ食品を食べることに嫌気がさして1ヶ月は続かなかった。⇒ 前者4つのダイエット食品は糖質の多いもので、かえって太る食品
- 当時、演歌歌手が痩せたとベストセラーになった7日間ダイエット本を購入して、ビタミンEを摂りながら、おかゆ⇒おもゆ⇒3日間断食(Fasting)⇒おもゆ⇒おかゆの絶食も試みた。それでもわずか3kgの減量で、2ヶ月もすると1.5kg増なっていた。⇒ 断食はお奨めだが、回復食にたんぱく質を摂らずに糖質の多い穀物はNG
- 実家の薬局で販売していた脂肪を溶かし痩せる効果があると鉄観音茶も毎食飲んでいた。⇒ 痩せるかは不明だが、糖質ゼロの飲み物だから一応安心
- 一方、「脂(油)ものは太る!」と信じていたので、脂身の多い肉類、チーズ、バターなどは避けていた。特に、肉を食べた時は鉄観音茶をがぶ飲みしていた。⇒ 太る原因は、一緒にごはん、パン、パスタなどを摂るため
- 激しい運動も毎日欠かさずした。当時大流行していたエアロビックス、発汗ウェアを着てのジョギング、クロール2000mのスイミングを続けたが、筋肉がつくばかりで、最高2kg痩せただけだった。⇒ 運動はウォーキングだけで充分!
- 唯一、朝晩続けたヨガで、体重が55kgまで落ちた。⇒ ヨガの呼吸法はリラックス効果大!
30年前のプチ糖質制限とウォーキングで劇的効果!
27歳の時、朝食、昼食は普通に食べるが、「夕食はごはんとビールを止めおかずだけ」「就寝2時間前は何も食べない」生活を始めた。30年前のプチ糖質制限だ!
さらに、会社からの帰路はバスに乗らず40分ほど歩いた。
意外にも、この減量方法は苦もなく毎日続けられた。劇的に効果が出た!
毎週1kgずつ痩せ始めた。体重計に乗る度にニンマリ。目標の50kgはクリアし47kgまで体重は落ちた。
スカートやパンツがブカブカになったばかりか、靴も脱げてしまう。サイズ31のジーンズは28になり、靴も1cmサイズダウンした。
ヤセの「糖質大食」で体調不良へ
この複合減量方法で体質が変化したのか、何を食べても体重は50kgを超えなくなった。しかし、それを良いことに、糖質の多い食品の暴飲暴食気味の夕食を長年続けた。
太りこそしないが、冷え症、胃の不調、うつ病、不眠、関節の痛みなどの問題が出てきた。
さらに、27歳の時に腰椎間板ヘルニアになり入院。2ヶ月間の寝たきり状態で削げてしまった筋肉は元に戻らず不自由な生活が長きに渡り続いた。
痩せている筆者が実感した糖質制限と加圧トレーニングによる体の再生に記載しているが、本当に健康的な体になったのは、50代後半で始めた糖質制限と加圧トレーニングによるものだ。
体の声を聴きながらの糖質制限
糖質制限も食べ方に問題があった。
低糖人になって2年目の頃、肉類をガッツリ食べようと霜降りの牛肉を300g以上食べ嘔吐したことが数回起こった。原因は(筆者には)特別飼育の上等な霜降り肉は消化できず、量も多すぎたのだ。
たがしゅうブログでおなじみの田頭先生がアドバイスを下さった。
理論的には低糖質が正しくても、最適量は理論ではなく、体の声を聴きながら食事量を調整していくスタンスが良いと思います
やせ型人間は消化吸収能力が低いので、無理せずに徐々に消化管を糖質制限に適応させていくとよいのではないででしょうか
調整後の糖質制限食
- 肉の量は200g前後に変えた
- 魚は食べる。刺し身かオリーブオイルをたっぷりかけてのグリル料理。じゃこの出番も多い
- 卵は1日2~3個。なるべく平飼い卵を選ぶ
- 野菜は食べるが、葉もの野菜、アボガド、ブロッコリー、だいこん、きのこ、キュウリ、大豆の水煮など
- 豆腐、厚揚げにはMCTオイルやオリーブオイルをかける
- 納豆、卵豆腐、市販の茶碗蒸しを昼によく食べる
- バター、マヨネーズ、オリーブオイル、MCTオイルは積極的に摂る
- 飲み物は、良質豆の珈琲、炭酸水、赤ワイン、ハイボールなど
エネルギー源の糖分(ごはんなど)を摂らないと、思考能力は低下し動けないのは思い込みだ。この糖質を控えた食事で、頭は冴え、疲れ知らずで動けている。
一方、糖質の多い食品も時々少量を食べる。
れんこんやごぼうは20~30g。料理で使う玉ねぎは1/4個。イチゴ4、5粒まで、グレープフルーツ1/4。糖質量10g未満にしたいのでハーゲンダッツ(マカデミアンナッツ味)やシュークリーム1/2 。【明治】the Chocolate や【ロッテ】乳酸菌ショコラ(ビター)は1袋に入っているチョコレートを割って少しずつアーモンドと一緒に楽しむ。
ただし、ごはん、パン、麺類はほとんど食べない。理由は体の悲鳴が聞こえるからだ。たまにお付き合いで食べると口の中が粘つき胃の調子が悪くなるのがわかるからだ。
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